海外テレビ局のIdentを見る

テレビ局が自身を端的に表す短い映像作品、Identを紹介しています

イギリス・BBC oneness その2


2020年、生活様式の急激な変化で生まれたIdentはリモートで別の場所にいる人々を同時に映すというものでした。

oneness自体は後のコロナ禍を全く予想していなかったでしょうが、奇しくも人と人の繋がりを表現するのにあまりにも最適すぎるコンセプトだったと思います。

イギリス・BBC oneness その1

BBC oneにて2017年から使用されていたIdentのシリーズがonenessです。


多人数が画面内に集まるという以前のCGを多用したサークル型とはかなり毛色の違うIdentになっています。

2020年に起きたコロナ禍で密が徹底的に忌避され、特にイギリスではロックダウンも行われ個々が家の中で過ごすことが多くなってしまいましたがonenessシリーズは形を変えて継続していきます。

イギリス・BBC ONEの新しいロゴ

毎度おなじみのBBCですが、長年使われた小文字のoneから昨年大文字のONEに変更されたようです。

Ident自体は旧版のサークル型ですが、表示されるロゴが新しいものになっています。
なおこの動画が実際に放送されたものなのかは不明です。


このIdentはロゴ変更と同時に制作されたもので、今年の年頭に放送されたもののようです。
onenessシリーズを踏襲している印象があります

フィンランド yle TV1

 

フィンランド放送協会(Yleisradio Oy)はフィンランドの公共放送局です。

複数チャンネルのテレビとラジオを運営しています。

このIdentは近年のもので、部分的にフィルターをかけた北欧の美しい青空と中心に現れるロゴがとてもセンスが良いです。

ギリシャ EPT1

ギリシャ国営放送(Ελληνική Ραδιοφωνία Τηλεόραση, Greek Radio and Television)はその名の通りギリシャの放送局で、その歴史は1930年代まで遡ります。
本来の表記はギリシャ文字のΕΡΤ(イプシロン・ロー・タウ)ですが、ここではアルファベットのEPTと表記します。
近年の国家の財政破綻の影響で突然閉局されたかと思えばすぐに再開するなど翻弄されています。
なお、EPTの公式サイトでは特に制限なく日本からでもライブ放送を見ることができます。珍しいかもしれません。

EPT2とEPT3も紹介します。


これらのIdentは2020年のものです。
どこかに置かれたアクリル製らしき透明な立体ロゴの一番右、数字の部分が色づくという共通のコンセプトで作られています。
チャンネルごとに色付き方に違いがあります。
シンプルかつ美しいIdentです。


掲載後、以前もEPTを扱っていたことに気が付きました。
10年前はEPT2がNETと呼ばれていて、さらにその前はまたEPT2だったりとコロコロ変更されていたんですね。

ノルウェー NRK2


ノルウェー放送協会(Norsk Rikskringkasting)はノルウェーの公共放送で、NRK2はテレビの第二放送として1995年に開局しました。
これらのIdentは様々な場所に置かれたLED電光掲示板にひたすらNRK2の文字が流れるだけのシンプルなシリーズです。
しかし置かれた場所が湖畔や船上、コンサートホールに電車の中など色々とひねりがきいており、
またIdentによっては伸びる電源コードが見えるものもあるため、合成ではなく全て実際に電源を持ち込んで撮影されたことがわかります。
統一感はありませんが、どことなくいかにも北欧という感じのするIdentです。

スイス・SRF1


お久しぶりです。
SRF(Schweizer Radio und Fernsehen)はスイスの国営放送SRG SSFの中でドイツ語放送を行っている組織です。
スイスは公用語が4つあり、地域によって使われる言語に偏りがあるので放送エリアも上手く住み分けられているようです。
タイトルによれば2016年以降に使用され始めたもので、ロゴの特徴的な赤い「1」が様々な形で表現されるIdentとなっています。
スカイダイビングや大量のドローンを飛ばすもの等、一発で撮影するのはかなり困難なものもあり
もしCG合成を行わずに作られているとしたらかなり手間がかかっているのではないでしょうか。
なんだか眠くなりそうなBGMと相まってかなりの名作ぞろいだと思います。


2011年までは局名をSF1と名乗っており、CGで大量の「1」のかけらが集まって巨大な「1」が形作られるIdentが流れていたようです。